まぁ、カメラの沼には色々あるわけですが、定番はやっぱりレンズ沼
で、レンズ沼と言ってもその中にも色々な沼というか墓場があって、カメラオタクたちは日々その地獄の1丁目を彷徨ってるわけです
今回は、そんなレンズ沼の中でも一大勢力を築いているオールドレンズの世界への水先案内をしたいと思います
【第2回】オールドレンズだけどオールドじゃない、そんなレンズはこちら↓
https://korokorocam.com/oldlens-new/
【第3回】SONYのミラーレスでオールドレンズをAFで使う方法はこちら↓
https://korokorocam.com/oldlens-lm-ea7/
【第4回】オールドレンズの格安超望遠で月を撮るはこちら↓
https://korokorocam.com/old-mirror-lens/
オールドレンズって何?
この10年は、スマホの普及によるカメラ市場の衰退や、一眼レフカメラからミラーレスカメラへ主役の座が移行されるなど、カメラ市場は歴史的な大きな転換期でした
でまぁ、ミラーレスカメラの普及とともに大きく注目されたのが、オールドレンズ
その名の通り、カメラの覇権の移り変わりとともに、本来はもう役割を終えたレンズたちです
ご存知の通り、カメラのレンズはメーカーが異なると基本的に互換性がありません
CANONのカメラにSONYのレンズは使えないんですよね
何でかというと、そもそもレンズをカメラに差し込むところ = レンズマウントの形が違いますからね
で、これを解決するアイテムとしてレンズ側とカメラ側の形状を合わせるアダプターってアイテムがあるんですが、仮に形状の違いをクリアしたとしても、もう1つ大きな問題が存在します
というのも、カメラで写真を撮るにはレンズからセンサーまでの距離、フランジバックって言うんですが、この距離が適切じゃないとレンズがセンサー上に適切に像を結べないため、どこにもピントが合いません
で、このフランジバックの距離は各社が採用しているレンズマウントによって決まってしまいます
分かりやすいように図で説明しますね
例えば、SONYのミラーレス機はEマウントっていう規格ですが、フランジバックの長さは18mm程です
上の写真でいうと緑の矢印の部分ですね
で、例えば上の写真のようにミノルタのSRマウント用レンズをSONYのミラーレス機に装着するとします
SRマウントはフランジバック43.5mmですので、このレンズを使用するためにはセンサーから43.5mmの距離、オレンジ分の長さが必要です
というわけで、このフランジバックの18mmと43.5mmの差、紫の部分を上の写真のようにアダプターで埋めることで、SONYのミラーレスでミノルタのレンズが使えるようになるんですね
すなわち、フランジバックの短いカメラにフランジバックが長いカメラ用のレンズをアダプター経由で装着することは可能なわけですが、当然これ逆は無理なんですよ
そもそもミラーレス用のレンズがフィルムカメラに使えるかどうかは別として、仮にSONYのレンズをミノルタのカメラでピントが合う位置までもっていこうとすると、ミノルタのカメラ本体をゴリゴリ削らないといけなくなります
もうバッキバキですわ
で、話を戻しますが、一眼レフはミラーがある関係で構造上どうしてもこのフランジバックが長かった
例えば、CANONの一眼レフだと44mmですし、NIKONだと46.5mmです。必然的に、使えるオールドレンズがほぼ存在していなかったんですね
一方ミラーレスは、さきほど紹介したSONYもそうですが、ミラーレスの名の通り、ミラーが存在していないおかげでフランジバックが短くて済みます
そう、ミラーレスの登場によって、銘玉と呼ばれ一世を風靡したものの、時代の流れ置き去りにされた過去の英雄たちが、再び陽の光を浴びることになったわけです
ん~、時代のロマンですね~
オールドレンズのメリット・デメリットは?
そのオールドレンズとやらをミラーレスで使えるのはわかったけど、何の意味があるの?って話をしたいと思います
まぁ、ただ単に古いオンボロなだけだったらわざわざ使う意味無いですもんね
まず価格。もちろんピンキリではあるんですが、キリの方が強烈に安い
もう1万円とかそんなレベルじゃない。下手するとワンコイン、500円
次に描写が今どきのレンズと違ってクセがあって独特
夢の世界かってくらい変な写りをするレンズもあるので、オシャレに生きるなら必須
最後に、さっきもチラッと言いましたが一世を風靡した過去の栄光に触れることができる
オールドレンズの世界は、どちらかというとオーディオの世界に似ています
現代のレンズみたいに数値化された解像度や歪曲で優劣が付くことは無く、感性が大事
まぁ、変な描写のレンズの方が値段高かったりしますからね
そう、あなたが良いと感じたレンズが良いレンズであり、誰にも否定できない世界なのです
その分ソムリエも多く住んでるのでカオス度は高い沼です
逆にデメリットももちろんあります
基本的に中古しか無いので、状態がマチマチ
カビが生えてたり下手すると臭かったりします。初心者の方は状態の良い物を探しましょう
で、そんな感じなのでそもそも欲しいレンズが潤沢に市場にあるとは限りません。マニアックなモノになるほど探し回るハメになります
次に、基本的にマニュアルフォーカスと言って、手動でのピント合わせになります
手でグルグルとレンズのピントリングを回す必要が出てくるんですが、これが初心者にとっては一番のハードルかも知れません
ただ、SONYのミラーレスだけはマニュアルフォーカスを無理矢理AF化する超科学アイテムが用意されているので、SONYの人は追加金を払えばオートフォーカスで使えます
後述しますが、新規でオールドレンズを始めたいなら2019年末現在、SONY一択
ミラーレスは、本当SONYが強い
まぁ、メリットデメリットはそんな感じですね
そもそもどうやって手に入れんの?
基本的にはハードオフやカメラのキタムラなどの中古レンズを販売している店舗かヤフオクなどのオークション、アマゾンなどの通販になります
ただ、さっきお話しした通り状態がマチマチなので、本当は実物を見るに越したことはありません
まぁ、都市部ならともかくそうじゃない人には難しいので、ヤフオクとかで安いやつから探しましょう
ちなみに、どうしても状態が気になるならオールドレンズっぽいけどオールドじゃないレンズっていう謎ジャンルも存在しているので、そういうレンズを選ぶと安心です
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そんなレンズの代表、NOKTON classic 40mm F1.4 SCの商品レビューはこちら↓
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NOKTON classic 40mm F1.4 SCの作例その①はこちら↓
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NOKTON classic 40mm F1.4 SCの作例その②はこちら↓
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見た目はオールドレンズ、中身は新品、名レンズ ! (迷レンズ?)NOKTON classic!↓
どうやって使うの?
準備として最低以下3点が必要です
ミラーレスカメラ、使いたいオールドレンズ、アダプター
ミラーレスカメラは向き不向きはあるものの、基本的にどれでも問題はありません
使いたいオールドレンズはいきなり言われても困ると思いますが、これは数が多すぎて紹介が難しい
流通量と価格を考えると、格安な物ならミノルタのROKKORが個人的にはオススメです
ハードオフとかにも500円くらいから普通にありますし、そもそも私のメインカメラはミノルタの流れを引き継ぐSONYですからね
オークションで買うとしても、135mmとかの不人気なモノなら送料込みでも1500円とかで買うことができます。下手すると送料の方が高いっていう
とりあえず、無難な標準画角から始めた方が良いと思うので、「ROKKOR 55mm」とかでオークションとかで調べてみてください
同じ名前のレンズでも前期型とか後期型とか色々あるんですが、最初なんで状態良さそうでROKKOR 55mmって書いてあれば何でも良いです
ちなみに、レンズ単体よりもカメラ本体付きの方が安かったりするカオスっぷり
アダプターは、あなたが使っているミラーレスのマウント名※1と SRマウント、もしくはMinolta MC MD辺りでアマゾン検索すると引っかかります
ただ、いかんせん状態にバラつきがあるので、若干ギャンブル感はいなめない
そこで、6000~8000円くらいと少し値段は上がってしまいますが、オールドレンズとして定番のロシアレンズ、HELIOS 44-2 58mm F2 やHELIOS 44M 58mm F2辺りなら状態が良い物が多いので、状態を気にするならこちらもオススメです
HELIOSも種類がたくさんあるんですが、グルグルボケで有名なHELIOS 44シリーズはオールドレンズ好きならだいたい持ってるんじゃないかなってくらい定番
なお、初代HELIOS 44は良く分からずに買うとマウント形状がハズレの可能性があるので、HELIOS 44-2かその後継のHELIOS 44M(Mの後ろに数字無し)辺りをオススメします
ちなみに、HELIOS 44-2よりHELIOS 44Mの方がボケがグルグルしにくいという話もあります
で、私が持ってる個体で試してみても、確かにそう感じます。描写そのものはHELIOS 44Mの方が好きなので、そちらばかり使ってますけどね
ただ、ロシアレンズって分解すると分かりますが結構作りが雑。ぶっちゃけ、商品自体の精度も怪しい
なので、描写の差がモデルによるものなのか、ただ単に個体差なのか、正直分かりません
なので、少なくとも私の持ってる個体ではそう感じるってだけですんで、そこんとこよろしくお願いします
なお、HELIOS 44-2やHELIOS 44Mは流通量が多いのでアマゾンでも売ってます
こちらはM42マウントになるので、あなたの使っているマウント名とM42で検索しましょう
※1 CANONならEF-Mマウント、SONYなら Eマウント、PanasonicやOlympusなら マイクロフォーサーズ、FujifilmはXマウントになります。さすがにCANONのフルサイズミラーレスを買う人は間違えないと信じて
星型のボケが気になった方はこちら↓
https://korokorocam.com/industar61-review/
虹が気になった人はこちら↓
https://korokorocam.com/summarit-review/
どのミラーレスがオールドレンズ向き?
まず、センサーサイズが重要です
ミラーレス選びの記事ではセンサーサイズなんて重要じゃないと蔑ろにしましたが、オールドレンズを使うための母艦だと重要
コロCAM的オススメミラーレスはこちら↓
https://korokorocam.com/best-mirrorless/
画質云々じゃなくて単純に面積が重要
センサーサイズが小さいと、レンズ全体を写すことができず、周辺部がカットされて望遠になってしまいます
レンズは周辺部ほど画質が乱れやすい = オールドレンズの味が出やすいので、周辺がカットされると美味しさ半減
そして、オールドレンズは広角寄りのレンズが少なく高価
50mm周辺のレンズが主流になるので、APS-Cやマイクロフォーサーズだと中望遠になってしまい使いにくい
一応、レンズの像を縮小してAPS-Cセンサーでもフルサイズのように写せるレデューサーっていうアイテムも存在はしていますが、レデューサー自体が1万円以上はするので、安くはありません
断言しますが、SONY α7系のフルサイズ対応ミラーレス機がベストです
CANONやNIKONもフルサイズを出していますが、発売されて間もないので、いかんせんオールドレンズの使用だけを考えた場合は高価すぎる
α7なら、世代をもう4つも重ねているので初代α7やα7Ⅱあたりなら比較的リーズナブルに入手が可能
中古のα7やα7Rなら5万円~くらい、α7Ⅱでも8万円前後で入手できます
APS-Cで良ければ、中古のSONY NEXシリーズなんかはもう5000円とかで買えるので、とりあえず試したい人もSONYで良いと思います
また、2019年末時点ではSONYのミラーレスだけが、LM-EA7というアダプターを使用することでマニュアルレンズのAF化が可能
というわけで、まだカメラが決まってないならSONYにしておきましょう
ちなみに、α7Ⅱ以降、α6300以降の位相差AFに対応しているSONYのミラーレスで使用可能です
まとめ
普通のカメラ撮影に飽きた人も、高いレンズに辟易している人も、ちょっと寄り道してみるのはいかがですか?
というわけで、オールドレンズの使い方と沼へのご案内でした
【第2回】オールドレンズだけどオールドじゃない、そんなレンズはこちら↓
https://korokorocam.com/oldlens-new/
【第3回】SONYのミラーレスでオールドレンズをAFで使う方法はこちら↓
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