【商品レビュー】SONY Eマウント Sonnar FE 55mm F1.8 ZA SEL55F18Z ~初心者におすすめって本当?~

 

どうも、コロCAMです

 

 

SONY Eマウント フルサイズ対応 55mm F1.8 単焦点

 

 

発売されて既にかなりの時間が経過し、Eマウントの単焦点レンズの中でも定番の1本となっているため、所有されている方もかなり多いレンズではないでしょうか

 

 

初心者はまずこれを買え、なんてレビューも散見しますし、良く分からんけどこいつ買っとけばええんやろ?的なポジションを築いていると思います

 

 

ただ、定番という割には意外とクセの強い面を持っており、万能とは言い難いレンズでもあります

 

 

他のレンズが出揃ってきた今、果たして本当に初心者にオススメして良いレンズなのか、という点に重きを置いてレビューしたいと思います

 

 

そんなわけで、正直SEL55F18Zのレビューってだけだとすっごい今更感はあるんですが、このブログを開設したのが最近なのでね、大目に見てくださいね

 

 

一応、二番煎じな内容だけにならないよう小ネタも用意したので、今更だなんて言わずちょっと見てってよ、奥さん

 

 

SONY Eマウントのレビュー&作例一覧はこちら↓

https://korokorocam.com/e-mount/

 

 

外観・操作性

無印レンズと違い、ツァイスレンズはピントリングから前玉側がつや消し仕上げ

 

発売が2013年12月末ということもあって、AF/MFの切り替えスイッチもフォーカスホールドボタンも付いておらず、ピントリングのみという潔さ

 

 

良く言えば、誤操作しようが無い単純明快レンズ

 

 

また、外観はツァイス銘ということもあり、無印レンズよりは高級感があってイイ感じです。シリアルナンバーがシールなので剥がれやすいのはご愛敬

 

 

どうでも良いですが、2019年は初代Sonnarをドイツのカールツァイス社が発売してから90周年にあたるようです

 

 

SONY製とはいえ、脈々と歴史が受け継がれているレンズなんですね~

 

 

おめでとう!90歳☆

 

 

ちなみに、ちょっと小ネタですけど、Eマウントの単焦点は普通にプロテクターを装着すると、こんなイメージになりますよね?↓

 

 

49mmのプロテクターを、パイルダーオン

 

別にこれでも悪くは無いんですが、傷つきやすい前玉周辺のエッジ部分は守られていないですし、せっかくのZEISSなのに見た目がっ

 

 

そこで、レンズプロテクターを装着する前に、ステップアップリングを噛ませることで見た目がスッキリします

 

 

ちょっとコストはかかりますが、レンズ外装の保護も兼ねていかがですか?

 

 

なお、広角レンズで同じことをする場合はケラレる可能性があるのでしっかり確認しましょう

 

 

左から、49-62mmのステップアップリングと62mm径のプロテクター
レンズに付いてた49mmのプロテクターを外して、代わりにステップアップリングを装着
ステップアップリングに62mmのプロテクターを装着して、できあがり
これで前面のエッジ保護は万全。なにより、チョーかっちょイイじゃん?
ちなみに、見た目を気にしないなら49mmプロテクターの上からステップアップリングを噛ませることで、コストを抑えてレンズ本体だけじゃなくてプロテクターも保護できます

サイズ・重量

 

Eマウントフルサイズレンズの中でも小さい方で、最近発売されたSEL35F18FやAPS-C専用のSEL24F18Z辺りと同等のサイズ感です

 

 

フルサイズ用レンズとしては相当コンパクト。持ち運びも苦にならないレベルだと思います

 

 

いわゆる標準画角ですし、スナップやテーブルフォトなどの使い方を想定しているならば、重量とサイズはとても重要

 

 

そういう意味では、大変優秀なサイズ感のレンズと言えるでしょう

 

 

ただまぁ、後述する別の理由から本レンズはテーブルフォトには全くオススメできないんですけどね

 

 

画質

某チェーンコーヒー店。α9 SEL55F18Z F2 光と影の描写にゾクっとします

 

このレンズを定番の1本に押し上げた理由の1つが画質でしょう

 

 

非常に高い解像度と、光と影を美しくとらえる描写に、細かいことを言わなければ十分にキレイなボケ

 

 

解像度が高いのもありますが、コントラストも良い塩梅で強めの描写を見せるので、なんとなく撮った1枚がアートな感じに仕上がります

 

 

特に、キットレンズから背伸びして、初めて単焦点を手に取った方にとっては、スマホやそこらのデジカメでは撮れない世界が広がっており、ツァイス銘の魔力と相まって、レンズ沼に誘うには十分な魅力があるレンズと言えます

 

 

α9 SEL55F18Z F1.8
一部切り出し。葉の細かい毛も解像し、ボケも解像度の割に硬くは無い。優等生な描写

AF性能

 

発売から時間が経っているにもかかわらず、最新のレンズと比べてもそれほど遜色の無いAF速度を誇ります

 

 

α9やα6400との組み合わせで動体撮影にも十分追従できるので、AF性能を心配する必要は無いでしょう

 

 

ただ、α9で使用される場合は、発売がα9の方が後なもあって、売りである20枚/秒の高速連写には対応できず、15枚/秒になるという制限はあります

 

 

まぁ、現時点では多くの人にはあんまり関係ないかも

 

 

その他機能面

 

・・・とまぁね、結構褒めちぎってきましたがね、初心者向けか否かについては、ここからが本番です

 

 

このレンズは、多くの方がオススメするように、Eマウント最初の1本として最適なのかって話ですが、サイズも画質もAF性能も、上記の通り確かに素晴らしい

 

 

しかし、やはり冒頭に軽く触れた通り、最初の1本として選ぶには、このレンズには抑えておくべきクセというか難点がいくつかあります

 

 

1. 焦点距離が微妙

 

いきなりですが、世間一般的にはカメラ趣味はマイノリティなわけで、スマホでの撮影が主流です

 

 

4歳の息子がタブレットでパシャパシャ撮れるくらい、誰でも簡単に撮影が楽しめる時代です

 

 

まぁ、何が言いたいかというとカメラ趣味じゃない人にとっては、スマホのカメラの画角がスタンダードなんですね

 

 

一方、カメラを趣味にしてる人にはお馴染みですが、広角と望遠の間に標準レンズってのがあって、このSEL55F18Zは標準レンズに含まれる一本です

 

 

標準レンズっていう名前だけ見ると、一番無難な画角っていう印象を受けません?それこそ、スマホのようにこれ一本で広範囲対応できてしまいそうな名前です

 

 

実際、他のメーカーでも焦点距離50mmの単焦点レンズは、撒き餌レンズなんて言われたりして、価格も安い場合が多く、最初の一本として定番扱いされてます

 

 

じゃあ、例えばiPhoneのカメラってこのSEL55F18Zと同じく50mm相当くらいの画角なんか?って話になるんですが、

 

 

実は、iPhoneには28mm相当とかなり広角寄りのレンズが搭載されています

 

 

フルサイズ用レンズでは広角レンズに分類分けされることが多い焦点距離28mmですが、景色を撮っても良いし、日常の記録写真にもとても向いており、汎用性が高く使い勝手の良い画角です

 

 

なので、各社スマホには大体換算24~28mm程度の画角が採用されているんですね

 

 

でね、いきなり呪文を唱えますけどね、「焦点距離と被写体の倍率は比例します」(細かい表現は気にしないっ)

 

 

何の事かというと、スマホは28mm相当の画角と言いましたが、それを2倍すると56mmなので、ほぼ55mmになりますよね?

 

 

要するに、SEL55F18Zは標準レンズとは言いつつも、スマホのカメラに比べると人とかを撮るとき約2倍大きく写るレンズっていうことです

 

 

言い換えると、景色とかを撮ると、SEL55F18Zで写る範囲はスマホの半分になってしまうってことなんです

 

 

標準レンズっていう言葉が紛らわしいのが元凶なのですが、少なくともメーカーのレンズ説明に登場する「標準レンズ」って言葉そのものは、別に汎用性が高いとかそういう意味ではありません

 

 

ただ単に広角でも望遠でも無い平均のレンズ、っていうだけに過ぎないんですねコレ

 

 

というか、今どきのiPhone、レンズ2つとか3つ積んでたりしますよね。超広角と広角と望遠の3つとか、役割の違うレンズを複数搭載するのが主流になっています

 

 

で、その複数レンズの望遠側がぶっちゃけ56mm相当なので、SEL55F18Zだけで撮影に挑むってのは、iPhoneの望遠側のレンズだけで撮影するってのと大体同じような感覚になります

 

 

正直、最初の一本としてはオススメしにくい画角です

 

 

画角についてのより詳しい説明はこちら↓

https://korokorocam.com/ichigan-vs-iphone2/

 

 

2. 心底寄れない

SEL55F18Z。これ以上近づくとピントが合わない。遠いぃぃ きいぃぃぃぃ
当ブログが最初の1本にオススメするSEL35F18F。この距離でピントが合います

 

旅行先で料理を頼んだとき、撮りたいですよね?

 

 

でもね、このレンズ、ちょっと近づくとピントが合わなくなるから、料理に近づくことができない

 

 

わざわざ席から立って距離をとらなければいけない、って程ではないですが高確率で背中をそらせて無理な姿勢での撮影になります

 

 

テーブルフォトや物撮りメインで使おうと考えてるなら、素直にSEL35F18Fなどの別のレンズにすることをオススメしますこの辺はまた別のページでいずれしっかり比較したいと思います

 

 

比較しました↓

https://korokorocam.com/sel24f18z-sel28f20-sel35f18f-sel35f28z-sel55f18z/

SEL35F18Fの商品レビューはこちら↓

https://korokorocam.com/sel35f18f-review/

 

 

まとめ

 

さて、後半は結構ネガティブなレビューとなりましたが、色々なレンズが出揃ってきた今となっては、数あるEマウント単焦点の中で初心者に対して特別オススメしたい一本とは言えないのが正直なところ

 

 

描写に特別思い入れがあったりすれば別ですが、入門にオススメな最初の一本としての役割は終えたと思います

 

 

個人的に、単焦点で初心者に最初の一本としておすすめするEマウント フルサイズ対応レンズは、今ならSEL35F18Fになります

 

 

SEL55F18ZはAPS-C機がメインの人にとっても、フルサイズ換算82.5mmの中望遠になり、定番画角と言えるので普通に使えますが、より安くて小さい上に寄れて手振れ補正までついているSEL50F18があるので、わざわざこちらを選択する意味はあまり無いでしょうね

 

 

ツァイス銘と高級感、雰囲気防塵防滴くらいしかメリットありません

 

 

ただ、勘違いしないでほしいのは、あくまで万能かつ単焦点の楽しさを味わえる入門用の1本目の立ち位置としては微妙というだけの話

 

 

他の単焦点の間を埋める選択肢として、もしくはズームレンズの補助としてなど、しっかりと役割を持たせて使うなら、銘レンズなのは変わりはしないでしょう

 

 

あと、発売してから時間も経っているので、中古での購入を検討される場合は状態の確認は確実に行うことをオススメします

 

 

状態を見るときは、シリアルナンバーのシールが真っ先に痛むので、そこを見るのがポイントの一つですよ

 

 

SEL55F18Zの作例①はこちら↓

https://korokorocam.com/sel55f18z-sakurei/

SEL55F18Zの作例② そうだ、リニア鉄道博物館に行こう!前編はこちら↓

https://korokorocam.com/sel28f20-sel55f18z-sakurei/

SEL55F18Zの作例③ そうだ、リニア鉄道博物館に行こう!後編はこちら↓

https://korokorocam.com/sel28f20-sel55f18z-sakurei2/

SEL35F18Fの商品レビューはこちら↓

https://korokorocam.com/sel35f18f-review/

 

SONY Eマウントのレビュー&作例一覧はこちら↓

https://korokorocam.com/e-mount/

 

 

α9 SEL55F18Z F1.8 噴水バッシャー