どうも、コロCAMです
ZeissとかLeicaとか、分かっててもそういう名前に弱いんですよね
3割増しで格好良く見えてしまっている私は、愚かなのでしょうか
そもそも、Zeissって何?って人もいると思いますので、簡単に説明をすると、Zeiss(ツァイス)は戦前から続くドイツの光学メーカーです
で、そのメーカー製のレンズの中で名玉として名高いレンズが鷹の目の異名を持つTessarになります
異名を持つというか、元は自称だったのが定着していったようですが、自称”鷹の目!”とかだとメチャクチャ格好悪くなるのでそこは深く考えなくて大丈夫
雨後の竹の子のように、レンズ界には鷹の目の異名を持つレンズが散見されるんですが、おそらく先駆者はこのTessarじゃないかなと
戦争によって、Zeissは会社そのものが東西に分断されたり、そのせいで元は同じメーカーの同じ名前のレンズなのに商標を争ったりと複雑な歴史に翻弄されたものの、現代まで脈々と受け継がれる銘玉の系譜がTessarなんですね
ちなみに、私も60年前くらいに製造された東側Zeiss製のTessarレンズを持っていますが、現代のレンズに比べれば当然描写は甘いものの、結構普通にクッキリ写るので逆に面白くないという理不尽な感情を抱きます
そんなZeissの名を継ぐSEL1670Z、鷹の目は健在なのかどうか、レビューしてみたいと思います
SONY Eマウントのレビュー&作例一覧はこちら↓
https://korokorocam.com/e-mount/
外観・操作性

他のZeiss名を持つレンズと同様、金属外装のシンプルな見た目で、スイッチ類は存在しません
誤操作は起きないですが、レンズ側でボタン操作する人には少し不便かな
また、ズームリングの固さは軽快で、力を入れずにスッと位置調整ができます。良いと思いますよ
なお、Zeissレンズですんで、SEL55F18Zで紹介した段差を生まないレンズフィルター装着術が使えます。55-67mmのステップアップリングで対応可能です
段差を生まないレンズフィルター装着術はこちら↓
https://korokorocam.com/sel55f18z-review/


サイズ・重量

サイズ的にはフルサイズ換算24-105mm相当でF4通しであることを考えると、結構頑張ってます
フルサイズ用のSEL24105Gと比べるのはナンセンスですが、同じ画角をカバーするって意味での比較なら、比べ物にならないほど小さい
正直、マイクロフォーサーズ機と比べても十分小さいですからね
ボケやノイズ感はマイクロフォーサーズのF2.8のズームレンズに相当すると思いますが、Olympusの12-40mm F2.8 (換算24-80mm相当)と比べても、レンズサイズは大差なく、望遠側はこちらがかなり有利
サイズ優先である程度暗いところにも対応できる標準ズームって言う意味なら、SEL1018と並んで他のメーカー含めても優秀だと思います
SEL1018の商品レビューはこちら↓
https://korokorocam.com/sel1018-review/

画質

広角側で開放だと、周辺部の露光落ちも多少あるので、少し絞った方が安定感が増します。開放だと、隅の描写も気にすれば少しだけ甘いかな
開放でも中央部とかは十分解像しているとは思いますが、少し絞れば隅までキリッとする感じなので、ある意味程よい解像感です。コントラストはやや高い印象ですね
最近のレンズは、元から優秀過ぎて絞ってもあんまり雰囲気が変わらないものも多いです
この子も例に漏れず、そこまで大きく描写が変わるわけでも無いんですが、ちょうど硬いと感じるかどうかの境目くらいの解像感なので、開放と絞り込みを使い分けたいレンズですね

敢えて逆光で無理のある撮影をしてみましたけど、流石にゴーストは出ますね
柔らかさとクッキリさが共存している描写で、結構好きです


望遠側も、バキバキに解像しているような印象は受けません。あんまり鷹の目感は無いですなぁ
拡大すると、ピント面含めて解像はしているんですが、どことなく柔らかい印象を受ける描写です
現代的な面白みのない優等生描写ではなく、少し個性的で優しさを感じますね

ボケも最近の解像重視のレンズにありがちなザワつきも無く素直ですし、ピント面の柔らかさと合わせて雰囲気のある撮影が楽しめます
望遠側だと、焦点距離的にも十分ポートレートなどにも使用できそうなスペックなので、柔らかな描写が女性とか子供を撮るのにも結構向いていると思いますね~
機能性
α6400で使った感じ、AF速度は十分に速く、最新のレンズにも劣る印象はありません
SONYのレンズは、元からカメラ側の性能が上がるのを見越して作られてるんでしょうね
例外はありますが、もともとAFが遅いと言われていたレンズも、カメラが新しくなるにつれて眠っていた性能が呼び起こされるかのようにちゃんと追従してきます
手ブレ補正も2~3段分くらいは効いている感じ。正直この焦点距離だとそこまで重要ではありませんが、あるに越したことは無いですね
また、望遠側の方が最大撮影倍率は大きくなるんですが、テーブルフォトくらいなら問題無く撮れるくらいには寄れるので、望遠側でもF4の明るさを生かした喫茶店などでの撮影等にも使えますね


SEL18135と比べて
SEL18135が発売されたため、迷っている人も多いんじゃないでしょうか?
しかもSEL18135はキットレンズにもなってるので、オークションとかで安く流通しているんですよね
スペック的に用途は被ってきますが、描写とかは結構違ってて、SEL18135の方が解像感のある現代的な描写で、ボケもややザワつく印象。正直一長一短
SEL1670Zのメリットとしては、望遠側の明るさ、広角側に2mm伸びた焦点距離、より寄れる最短撮影距離、サイズ、作りの高級感の5点
逆に、SEL18135は圧倒的な望遠側の焦点距離、より大きく写せる最大撮影倍率、そして微妙に広角側の明るさの3点
この2本だけで考えると単純にカバーできる範囲が違うので、判断が難しいですね。正直、他にどのレンズを持っていくかでどちらがオススメかは変わります
例えば、SEL1018を一緒に持っていくなら、SEL1670Zの広角側の焦点距離のメリットは薄まりますし、SEL70350Gと組み合すならSEL18135の望遠側のメリットは微妙ですからね
また改めてこの2本は比較しようかなと思ってます
SEL18135の商品レビューはこちら↓
https://korokorocam.com/sel18135-review/
まとめ
Eマウントの中でも古参に分類されるTessarレンズ
鷹の目って感じでは無いですが、コンパクトで軽快なオススメのズームレンズです
SEL18135というライバルの登場もあって、また迷いが1つ増えてしまった人も多いでしょうが、ユーザー的には選択肢が増えるのは大歓迎ですし、しっかり自分の用途を考えて選んでいきたいところですね
ではまた!
SEL1670Z 作例① 夜を写すはこちら↓
https://korokorocam.com/sel1670z-sakurei/
SONY Eマウントのレビュー&作例一覧はこちら↓
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